どうやら紅羽さんは、溺れたことは覚えていないようで、うみちゃんに人工呼吸をされたことだけは覚えているようだった。
それで、目を覚ましたら微笑むうみちゃんの顔があって一目惚れしたらしい。
「だ…だけど、信じられない!そもそも、女嫌いの藍なんかに婚約者がいるわけがない…!」
「言ってなかっただけです。俺たち、前々から付き合ってました」
藍はまるで息をするように、自然な嘘が次から次へと飛び出してくる。
「だったら…!証拠を見せてみろ!うみちゃんが藍の婚約者という証拠を!」
…証拠。
そんなの…あるはずがない。
婚約指輪を渡されたわけでもない、ただの口約束の婚約者のフリなのだから。
でも、このままじゃ紅羽さんは納得しそうにもない。
…どうするの、藍。
そう思っていたら――。
それで、目を覚ましたら微笑むうみちゃんの顔があって一目惚れしたらしい。
「だ…だけど、信じられない!そもそも、女嫌いの藍なんかに婚約者がいるわけがない…!」
「言ってなかっただけです。俺たち、前々から付き合ってました」
藍はまるで息をするように、自然な嘘が次から次へと飛び出してくる。
「だったら…!証拠を見せてみろ!うみちゃんが藍の婚約者という証拠を!」
…証拠。
そんなの…あるはずがない。
婚約指輪を渡されたわけでもない、ただの口約束の婚約者のフリなのだから。
でも、このままじゃ紅羽さんは納得しそうにもない。
…どうするの、藍。
そう思っていたら――。



