同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

「…は?なんでそんなこと。オレたち、わりと仲いいんだから――」

「紅羽さんがキスしようとしてるその女。俺のなんですけど」


…それを聞いた紅羽さんの顔といったら。

目が点になり、まぬけにも口をぽかんと開けていた。


せっかくのイケメンが台無しだ。


「うみちゃんが…、藍の……?」

「はい。なんなら、婚約者ですけど」

「…婚約者?」


その瞬間、紅羽さんの腕の力が抜けてわたしはストンと廊下に落ちる。


「ら…ら…藍の…、婚約者!?」

「はい」

「で…でも!昨日、オレはうみちゃんにキスを――」

「それは、キスじゃなくて…人工呼吸です!」


こうなったら、うみちゃんを代弁してわたしが直接紅羽さんに伝えよう。


「…人工呼吸?」

「そうです!昨日、紅羽さんがプールで溺れて、それでうみちゃ――じゃなくて、たまたま通りかかったわたしが助けに入ったんです!」