だけど、ふと頭にひらめいた。
『だったら、お前もちゃんと婚約者らしく俺を呼ぶんだな』
あのジェスチャーは、自分の名前を呼べと言っているんだ。
婚約者なら『無愛想男』なんかではなく、名前で。
今まで、男の子を名前で呼んだことなんてなかった。
ただでさえ抵抗があるというのに…。
だけど、今はそんなことを言っている場合ではない。
悔しいけど、この状況からわたしを助けてくれるのは――。
目の前にいるあの男…ただ1人だけ。
「たっ…、助けて!…藍!」
恥を忍んで、わたしは叫んだ。
すると、藍の口角がニッと上がった。
「紅羽さん。冗談はそれくらいでお願いします」
藍がわたしを抱きかかえる紅羽さんの腕をつかむ。
「ん?どうかした、藍?」
「それ以上するっていうのなら、青龍の全勢力をもって朱雀に喧嘩ふっかけますよ」
『だったら、お前もちゃんと婚約者らしく俺を呼ぶんだな』
あのジェスチャーは、自分の名前を呼べと言っているんだ。
婚約者なら『無愛想男』なんかではなく、名前で。
今まで、男の子を名前で呼んだことなんてなかった。
ただでさえ抵抗があるというのに…。
だけど、今はそんなことを言っている場合ではない。
悔しいけど、この状況からわたしを助けてくれるのは――。
目の前にいるあの男…ただ1人だけ。
「たっ…、助けて!…藍!」
恥を忍んで、わたしは叫んだ。
すると、藍の口角がニッと上がった。
「紅羽さん。冗談はそれくらいでお願いします」
藍がわたしを抱きかかえる紅羽さんの腕をつかむ。
「ん?どうかした、藍?」
「それ以上するっていうのなら、青龍の全勢力をもって朱雀に喧嘩ふっかけますよ」



