一冴さんに裏切られたことへの。
これはなにかの間違いであってほしいと最後まで思っていた。
でもどうやら、間違いでもなんでもなかった。
一冴さんは藍を潰すため、わたしを利用した。
それだけが真実だ。
「一冴さん。楽しそうに笑ってますけど、その計画…そもそも破綻してますよ」
「はあ?」
「だって、藍にとってわたしは婚約者でもなんでもないですから」
わたしは一冴さんをにらみつける。
「なにをバカなことを」
「わたしは、藍に頼まれて婚約者のフリをしているだけのただの偽物です」
その話に、一冴さんの目尻がわずかに動く。
「…どういうことだ」
「そのままの意味です。わたしと藍に恋人同士という関係もなければ、恋愛感情もありません。つまり、わたしを攫ったところで藍にとっては痛くもかゆくもないんです」
これはなにかの間違いであってほしいと最後まで思っていた。
でもどうやら、間違いでもなんでもなかった。
一冴さんは藍を潰すため、わたしを利用した。
それだけが真実だ。
「一冴さん。楽しそうに笑ってますけど、その計画…そもそも破綻してますよ」
「はあ?」
「だって、藍にとってわたしは婚約者でもなんでもないですから」
わたしは一冴さんをにらみつける。
「なにをバカなことを」
「わたしは、藍に頼まれて婚約者のフリをしているだけのただの偽物です」
その話に、一冴さんの目尻がわずかに動く。
「…どういうことだ」
「そのままの意味です。わたしと藍に恋人同士という関係もなければ、恋愛感情もありません。つまり、わたしを攫ったところで藍にとっては痛くもかゆくもないんです」



