同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

大きな公園のそばを通り、川にかかった橋を渡り、人気のない線路の高架下を歩いていた。

――そのとき。


…キキイッ!!


急ブレーキをかける音がそばから聞こえた。

驚いて顔を向けると、黒のワンボックスカーがわたしのそばに止まっていた。


ここには、信号もなければ停止線もない。

じゃあ、この車はどうしてこんなところで急停車を――。


と思っていた次の瞬間、後部座席のスライドドアが開き、覆面を被った男たちが降りてきた。


「なっ…なに…!?」


戸惑っていると、あっという間に周りを取り囲まれる。

そして、後ろから男に口を塞がれた。


「…んんっ!!」


声にならない叫び声を上げるも、その声は上を走る電車の音でかき消される。


両腕、両足を持ち上げるようにして担がれると、わたしは横につけられていた黒のワンボックスカーへと無理やり押し込まれた。