同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

包丁でにんじんをリズミカルに切っていると、ふと藍がわたしの顔をのぞき込んできた。


「いいことでもあった?」

「…えっ!?」

「なんか、うれしそうだったから」


一冴さんと再会したときの藍の喜ぶ顔を思い浮かべていたら、自然と表情がゆるでいた。


「な…なんでもないよ!シチュー、おいしくできたらいいなって思ってただけ」

「ほんとに?」

「ほんと…!」


藍がわたしの反応をうかがうように、顔を近づけてくる。


…もう!

照れるから、かっこいい顔近づけてこないでっ。


そして、1週間後。

一冴さんと会う日。


藍には、帰りに買い物をするから少し遅くなると連絡しておいた。


わたしは一冴さんと約束したとおり、この前と同じ時間にあの喫茶店に着くように学校を出た。


喫茶店までは、歩いて15分ほど。