同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

「あ〜、あのときの!」

「そうです!」


一冴さんが覚えていてくれたのはうれしいけど、『よく食べる女』で認識されていたことが少し複雑ではある。


「そういえば、藍の婚約者なんだよな」

「は…はい、朝陽そらといいます!」

「そらちゃんね、よろしく。でも悪いけど、今日会ったことは藍には秘密にしておいてくれるか?」

「え…、どうしてですか?」

「藍の中では、オレはもういないものとして考えてるだろうし。それに、オレのことなんてとっくに忘れてる」


そう言って切なく微笑む一冴さんの表情は、あのパーティーの夜、一冴さんのことを語る藍とそっくりだった。

本当によく似た兄弟だ。


「…あの!このあと少し、お時間ありますか?」

「え?」

「そのことについて、一冴さんにお話したいことがありまして…」