同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

そう言って、男の人はわたしに背中を向けた。


そのとき、わたしの頭の中でまるで電流が駆け巡るようにある記憶が浮かぶ。

それでようやく思い出した。


あのときは暗がりで、ぼんやりとした姿しか見えなかったけど…。

この人って――。


「一冴…さん?」


その声に、金髪の男の人が振り返った。


「え?どうして、オレの名前を…」


やっぱり一冴さんだ!

まさか、こんなところで会えるなんて…!


「わたし、前に夜の庭で会った…!」

「…夜の庭?」


首をかしげる一冴さん。


なんて説明したらいいんだろう。

あのとき、一冴さんとはどんな話をしてたっけ…。


『それにしても、よく食べるんだな』


――そうだっ!


「『よく食べる女』です!」


わたしがそう説明すると、なにかを思い出してくれたのか一冴さんは目を見開けた。