ダンスに誘われたのはもちろん初めてのことで、それだけでもドキドキしてしまう。
婚約者のフリとはいえ、わたしに拒否権がないことはわかっている。
――それに。
細くて長い指。
低く落ち着く声。
わたしを捉える切れ長の目。
思わずときめいてしまいそうな藍の誘い方に、だれがそれを断るだろうか。
もちろん断るはずもない。
わたしだって、本当は踊れないのに。
踊ったところで恥をかくだけなのに。
わたしはなにかに引き込まれるように、差し出された藍の手の上にそっと自分の手を乗せていた。
ダンスなんて踊ったこともない、“ド”がつくほどの素人のわたし。
だけど、藍の立ち居振る舞いはどこか自信にあふれていて――。
『心配すんな。俺に全部任せておけばいいから』
藍の言葉を信じてみようと思った。
婚約者のフリとはいえ、わたしに拒否権がないことはわかっている。
――それに。
細くて長い指。
低く落ち着く声。
わたしを捉える切れ長の目。
思わずときめいてしまいそうな藍の誘い方に、だれがそれを断るだろうか。
もちろん断るはずもない。
わたしだって、本当は踊れないのに。
踊ったところで恥をかくだけなのに。
わたしはなにかに引き込まれるように、差し出された藍の手の上にそっと自分の手を乗せていた。
ダンスなんて踊ったこともない、“ド”がつくほどの素人のわたし。
だけど、藍の立ち居振る舞いはどこか自信にあふれていて――。
『心配すんな。俺に全部任せておけばいいから』
藍の言葉を信じてみようと思った。



