同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

ダンスに誘われたのはもちろん初めてのことで、それだけでもドキドキしてしまう。

婚約者のフリとはいえ、わたしに拒否権がないことはわかっている。


――それに。


細くて長い指。

低く落ち着く声。

わたしを捉える切れ長の目。


思わずときめいてしまいそうな藍の誘い方に、だれがそれを断るだろうか。

もちろん断るはずもない。


わたしだって、本当は踊れないのに。

踊ったところで恥をかくだけなのに。


わたしはなにかに引き込まれるように、差し出された藍の手の上にそっと自分の手を乗せていた。


ダンスなんて踊ったこともない、“ド”がつくほどの素人のわたし。

だけど、藍の立ち居振る舞いはどこか自信にあふれていて――。


『心配すんな。俺に全部任せておけばいいから』


藍の言葉を信じてみようと思った。