意地悪く笑うのは藍だった。


「…ちょっと、その呼び方やめてよねっ」

「なんで?事実じゃん」

「事実だけどぉ…」


がんばった結果が45点だから、いじられると何気に傷つく。


「…もう!そんなこと言う藍にはお弁当あげない!」

「あっ…、おい!それとこれとは話が別だろっ」


藍は、わたしがいっしょに持ってきていた青色のバンダナに包まれたお弁当を奪い取る。


藍がわたしの手料理を食べるようになってから、実はお弁当も毎日作ってあげている。

藍が頼んできたから。


朝ごはんも、お弁当も、夜ごはんも藍といっしょ。

付き合っているわけではないのに、まるで本当に付き合っているカップルかのようで、わたしは毎日ドキドキしている。


「そういえば、そらのかわりに妹が秀峰に行ったんだよな?」