同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

「…居心地?」


そういえば、そんなこと考えたこともなかった。


たしかに部屋は2人で住むには十分すぎる広さだからあまり気にならないとはいえ、他人の藍と同じ部屋で過ごしている。

それなのに、居心地が悪いと感じたことは一度もない。


「それにぼく…、ずっと心配してたんだよね。藍くんは女嫌いで有名だけど、…部屋で2人きりでしょ?なにかされてないかなって…」

「なにかって、べつになにも――」


と言いかけて、わたしの頭の中にある場面が浮かび上がった。


『…えっ、ちょ……藍?』

『こうされたら拒めるのかよ?』


そう。

それは、昨日の藍との出来事。


あのときの至近距離での藍の顔を思い出してしまい、わたしは一瞬にして顔が赤くなった。

琥珀くんに見られないように、すぐさま両手で顔を隠す。