同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

今日はテラスにはだれもいなかった。


数種類用意されているパンの中から、わたしはフレンチトーストをトングで取った。

いつもはカフェオレを飲んでいるけど、今日は寝不足だから微糖のコーヒーを淹れた。


わたししかいないテラスで、優雅にフレンチトーストを頬張る。

こんな静かな朝は久しぶりだ。


「はぁ〜…。まさか昨日、あんなことになるなんて――って…ニガ!」


ひとりごとをつぶやきながらコーヒーを飲むと、思っていたより苦かった。


――すると、そのとき。


「“あんなこと”って、どんなこと?」


突然背中から声がして、わたしの肩がビクッと反応した。

すぐさま振り返ると、わたしのすぐ後ろにいたのは琥珀くん。


「…あっ!!」


しかも振り返った拍子に、手に持っていたコーヒーを琥珀くんにかけてしまった。