同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

わたしはというと、そのままの体勢のまま固まっていた。

放心状態というやつだ。


未だに、心臓がうるさいくらいにバクバクしている。


突然、藍にソファに押し倒されたとき――。

…キ、キスされるかと思った。


そんなこと…あるはずないのに。


『女嫌いの俺がキスなんてするわけねぇだろ』

『…まあ、たしかに』

『だから、たとえ婚約者のフリとはいえ、俺がお前にキスすることは絶対にありえない。変な期待はしないことだな』

『だれが期待なんか…!』


前にああ言っていたから、藍からキスしてくることなんて絶対ない。


でも、頭ではそうとはわかっていたけど…。

あんな状況だったら、…いやでも反応しちゃうよ。


…藍はずるい。

わたしだけ、こんなにドキドキさせて。


わたしはそばにあったクッションを抱きしめると、そこにギュッと顔を埋めた。