振り解こうとするも、びくともしない。
お…おかしい。
藍には腕相撲で負けたことがないんだから、こんなのだって簡単に解けるはずなのにっ…。
必死に抵抗しようとしていたとき、朝の紅羽さんたちの言葉を思い出す。
『でも意外だね。あの女嫌いの藍が、女の子に手加減できるほどやさしいところがあるなんて』
『て…手加減!?』
『そうだよ。藍が腕相撲で女の子に負けるわけないからね。きっとうみちゃんのことを思って、わざと負けてるんだよ』
手加減なんて、藍がそんなやさしいことするはずないと思っていたのに――。
今の藍に対して、わたしの力は無力だった。
「他の女よりも力があるほうだからって自惚れんな。黙って俺に守られとけ。そうしたら、かわいがってやるよ」
そう言って上体を起こした藍は、何事もなかったかのように自分の部屋へと戻っていった。
お…おかしい。
藍には腕相撲で負けたことがないんだから、こんなのだって簡単に解けるはずなのにっ…。
必死に抵抗しようとしていたとき、朝の紅羽さんたちの言葉を思い出す。
『でも意外だね。あの女嫌いの藍が、女の子に手加減できるほどやさしいところがあるなんて』
『て…手加減!?』
『そうだよ。藍が腕相撲で女の子に負けるわけないからね。きっとうみちゃんのことを思って、わざと負けてるんだよ』
手加減なんて、藍がそんなやさしいことするはずないと思っていたのに――。
今の藍に対して、わたしの力は無力だった。
「他の女よりも力があるほうだからって自惚れんな。黙って俺に守られとけ。そうしたら、かわいがってやるよ」
そう言って上体を起こした藍は、何事もなかったかのように自分の部屋へと戻っていった。



