同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

なんと答えるのか楽しみにしていると、藍は苦し紛れに声を絞り出した。


「そ…そうだな。…まあ、カレーかな」


まったくひねりのない解答にわたしは呆れた。


カレー…って。

よりにもよって、野菜を切って市販のルウといっしょに煮込んだだけの簡単料理を。


さっき藍のお父さんに『料理は好きなほう』と話していたんだから、できればもう少し手の込んだものを言ってほしかった。


でも、わたしの手料理を食べたことがないんだから仕方ないよね。


なんとか『カレー発言』は疑われることなく、藍のお父さんはリビングから移動する。


「この部屋は?」

「俺の部屋だよ」


次にやってきたのは、藍の寝室。

藍のお父さんはなにげなく藍の部屋をのぞいた。


「実家もそうだが、相変わらずなにもない部屋だな」