同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

たしかにわたしの言い方だと、藍といっしょにここで夜ごはんを食べているというふうに聞こえる。


しかし、普段は藍は食べにいって、わたしはここで1人分の料理を作ってテレビを見ながら食べている。


藍のお父さんが想像しているものとはまったく違う。


「藍は、うみくんの手料理でなにが一番好きなんだ?」


突然、お父さんに話を振られ、一瞬戸惑った様子を見せた藍。


「え…、手料理?」

「ああ。しばらくいっしょに住んでいるんだから、好きな手料理の1つや2つくらいはあるだろう?」

「…えっと。そうだなぁ…」


いつも冷静沈着な藍が、目を泳がせて明らかに焦っていた。

わたしの手料理なんて食べたことがないし、わたしがなにを作っているのかも藍は知らない。


2人で、藍のお父さん対策にいくつか予想できる質問に対しての模範解答は用意していたけど、この質問は想定外。