明日、うみちゃんから藍に話してもらおう。


そう思いながら、学校を出ようとしたとき――。

校門のところに、人だかりができているのが見えた。


何事だろうと、ゆっくりと近づいてみる。


「立ち姿も絵になって、美しすぎる…!」

「ほんと!目の保養だよね」


そんな女の子たちの声が聞こえる。


人だかりの中をのぞき込むと、その中心にいたのは――なんと藍だった。


「…あっ。こんなところにいた!」


思わず心の声が出てしまう。


すると、その声に反応した人だかりの女の子たちと、うつむき加減だった藍が同時にわたしに目を向ける。

わたしと目が合った藍は、ニッと口角を上げる。


「やっときたか」


そう言って、人だかりをかき分けてわたしの前までやってくると、突然わたしの腕をつかんだ。