同居中の総長さま×4が距離感バグってます!

それに…、『琥珀』という名前――。


そのとき、頭の中でなにかがひらめいた。


「もしかして!…“あの”琥珀くん!?」


わたしが手をパチンとたたいて指さすと、琥珀くんは大きくうなずいた。


「思い出してくれた!?そう、“あの”琥珀です!」


さっき琥珀くんが笑ったとき、どこか懐かしいような気はしていた。


それもそのはず。

琥珀くんは、小学生のときの知り合いだった。


といっても、学校は違う。


――あれは、わたしが小学6年生のとき。


うみちゃんとはそれぞれ違う習い事をしていて、うみちゃんはピアノ教室、わたしはスイミングスクールに通っていた。

スイミングスクールはうみちゃんのピアノ教室とは真逆の方向で、習い事へはいつも1人で行っていた。


ある日、スイミングスクールまでの通り道の河原で、いじめられている1人の男の子を見つけた。