次に目を覚ますと今度は、美津濃くんの部屋だった。
美津濃くんの部屋は、黑くんと違ってオシャレ系。
「媛ちゃんって、なんでそんなに可愛いの?それに血もいい匂いだし」
「そお……?私は、普通だと思うんだけど」
「違うよ?媛ちゃんの血だけ甘い匂いだもん。他と比べられないよ」
「それは、……褒め言葉でいいのかな?」
「ねぇ!媛ちゃんの血吸わせてよ。これが、最後になるから」
「え?」
「僕には、先の運命がわかるんだよ。だから、媛ちゃんの血を飲むのもこれで最後。ほら、こっちにおいでよ」
私は、言われるがままに美津濃くんの前に行く。
すると、美津濃くんは私を乱暴にした。
可愛い顔して……凶暴か。
『可愛い人ほど棘がある』って本当だったんだね。
私は、されるがままに美津濃に体を預けた。
「媛の血の味って、特別な味するよ」
息が荒くなる。
遠い記憶で、私は美津濃くんにこう言われた気がした。
「……バイバイ、媛ちゃん」
そこで、記憶が途絶えた。