外交官として渡航するのは以前から決まっていたことだ。第五国際情報室の職員は機密を運ぶエージェントでもあるので、若いうちは経験のためだけに渡航する。本命の役目を帯びて渡航するのは、国内での業務実績を積んでから。そろそろだろうとは思っていた。
それでも、あと半年で彼女と会えなくなるのは正直寂しい。
四年もの間、いい客でいた。進展させるような仲じゃないと自分を律してきた。
もし三年の任期を終えて戻ったとき、彼女がここで働いていなかったらどうだろう。誰かの妻になり、子どもを産んでいたらどうだろう。
俺は一生後悔するんじゃなかろうか。
(名前も知らない店員にこんな気持ち……)
つい足が弁当屋に向かう。昼に彼女の顔を見たばかりだというのに。
「いらっしゃいませ。お疲れ様です」
店舗に入ると彼女が「あ」という顔をし、声をかけてきた。昼も夜も勤務している日があるのは知っているが、会えてラッキーだと思った。
「昼はどうも」
他にも店員がいるが、もしわずかでも彼女とふたりきりの時間ができたら話してみようか。半年後に転勤するのだと。
彼女がほんの少しでも寂しそうな顔をしてくれたら……。
それでも、あと半年で彼女と会えなくなるのは正直寂しい。
四年もの間、いい客でいた。進展させるような仲じゃないと自分を律してきた。
もし三年の任期を終えて戻ったとき、彼女がここで働いていなかったらどうだろう。誰かの妻になり、子どもを産んでいたらどうだろう。
俺は一生後悔するんじゃなかろうか。
(名前も知らない店員にこんな気持ち……)
つい足が弁当屋に向かう。昼に彼女の顔を見たばかりだというのに。
「いらっしゃいませ。お疲れ様です」
店舗に入ると彼女が「あ」という顔をし、声をかけてきた。昼も夜も勤務している日があるのは知っているが、会えてラッキーだと思った。
「昼はどうも」
他にも店員がいるが、もしわずかでも彼女とふたりきりの時間ができたら話してみようか。半年後に転勤するのだと。
彼女がほんの少しでも寂しそうな顔をしてくれたら……。



