ロネが訊ねると「プリンがおいしいんだって!」とナタリーが答える。ゾーイはますます目を輝かせ、「行きたい!」と大きな声で言った。

「なら、放課後遊びに行くところは決まりだな」

はしゃぐゾーイとナタリーを見て、ネイサンが微笑む。それはまるで子どもを見守る父親のようで、ロネも笑ってしまった。

「何だ?」

「ううん、何でもないよ」

放課後を待ち遠しく思いながら、ロネたちは学校へと歩いた。



学校の教室に入り、しばらくするとチャイムが鳴って担任の先生が入って来る。先生はクラス中を見渡した後、言った。

「みんなは、魔法使いのエドワード・ブラウンさんが異世界に繋がる扉を作ったことは知ってるか?」

「朝テレビでやっていましたね」

ネイサンが言い、ロネを含む数人が頷く。そんな生徒の反応を見た後、先生は驚くべきことを口にした。

「実は校長先生があのニュースを見て、異世界から人を招いて講演会をしてもらいたいと言っているんだ」