異世界に講演に来て、モンスターたちを倒したばかりのルーチェたちは、セイレーンの少女に腕を引っ張られ、カフェに連れて来られていた。

パステルカラーで統一され、可愛らしい小物が並べられた明らかに女性をターゲットにしているであろうカフェにルーチェは少し居心地の悪さを感じた。それはアーサーとティムも同じなようで、チラリとルーチェが横を見ると緊張しているような顔をしている。

しかし、クラルは物珍しそうにカフェの中を見ており、ルーチェたちの前に座っている魔法使いと剣士も慣れた様子でメニュー表を見て話していた。

「ロネ、メニューを決めるのも大事だが自己紹介をしていなかったと思うぞ」

魔法使いに話しかけられていた赤い瞳の少女が言う。すると、魔法使いたちは瞬きをした後、「そうだった!」と言った。

「突然連れ出してごめんなさい!私、ナタリー・スカイラー。セイレーンと人間のハーフなの。よろしくね」

カフェへとルーチェたちを連れ出した少女がニコリと笑い、自己紹介をする。次に剣士が口を開いた。