その一言に教室中蛾騒めく。異世界など、今朝初めて知った世界だ。ロネの中に好奇心が生まれていく。

(異世界ってどんな世界なんだろう)

この世界のように魔法はあるのだろうか?未知なる生物が住んでいるのだろうか?仲良く話すことができるのだろうか?色んな想像をロネはしてしまう。

「どのような人が来るのですか?」

ゾーイが先生に質問をする。先生は「驚くなよ」と笑った後、言った。

「魔王だ」

魔王と言えば、この世界を暴力や恐怖で支配する恐ろしい見た目をした存在を想像してしまう。わくわくする気持ちでいっぱいだったロネの心の中には不安が生まれ、周りにいるクラスメートたちも「大丈夫かな?」と不安げに話している。

「魔王……」

ゾーイだけが、顔色を何一つ変えることなく呟いた。