「いつまでって? うーん、今日は五時ぐらいかなあ?」
「えっと、……違くって」

 かっちゃんがポリポリ頭をかいて困っていた。
 わたしはかっちゃんが何を聞きたいのか、よく分からなかった。

 かっちゃんが、小さなイチゴ型のテーブルの前に座るわたしの横にストンと座った。

「お姉ちゃんが言うんだ」
「圭ちゃんが? なんて?」

 わたしは、じいっとわたしの顔を見てくるかっちゃんの視線が恥ずかしくて下を向いてちゃった。

「結とお姉ちゃんが中学生になったら、今までどおりには俺と遊べないって」

 わたしはかっちゃんの言葉に初めて、わたしのほうが先に中学校に行くようになるってこと、今さらそれがどんなことか、気づいた。

 かっちゃんとわたしは、今までどおりに遊んだり宿題をやったりすることが出来ないことに気づいたのでした。

 私は、……能天気だったんだ。

 いつまでも、かっちゃんとはこうしていられるって疑いもしていなかったんだ。

 気づかされたのです。

 私が小学校を卒業したら、かっちゃんとは離れ離れになるってことに――。

 だって、そんな……。大事なことだけど、現実に感じられていなかったんだ。