なんかね。
 かっちゃんと手をつなげるだけで。
 夏祭りも花火大会もね、すっごく去年より楽しい。

「結《ゆい》〜、やっぱり俺輪投げがやりたいっ!」
 そういってパッて、かっちゃんが私の手を離して、すぐ近くの輪投げ屋さんに入る。
 
 なんだ。
 手をつなげたのなんて、ちょっとだけ。
 がっかり。

「結《ゆい》〜。早く早くこっち来てよ〜」

 かっちゃんが輪投げ屋さんから私をニコニコ笑顔で呼んでる。

 なんだか寂しいな。
 手が寂しいな。