かっちゃん。
 かっちゃん。
 
 いつから私は、かっちゃんが好きなのかな?

 甚平姿のかっちゃんに、いつもよりもっともっとドキドキする。

「どうしたの? 結《ゆい》」
「えっ。ううん。なんでもないよ」

 あっ。

 かっちゃんがね。
 私の手をニコって笑いながら握って来たの。

「人がいっぱいいるから。結《ゆい》! 迷子にならないように手をつなごうよ!」
「うん」

 ドキドキする。