アイニャがお見送りの任を終え、グッと伸びをして体を長くした後。ベアトリスが用意してくれたお気に入りの布に包まった。


アイニャがあくびしつつのんびりと愛するベアトリスの帰りをいい子で待っていると、部屋の扉がひとりでに開いた。


部屋に侵入者である。


アイニャは布から飛び出し扉の前に立った。


「ニャ」

「こんばんは、アイニャ。今日はネズミくれても帰れへんよ?」


ふふふと厭らしい悪人顔を貼り付けたうさ耳メイド、エリアーナの訪問だった。


「ニャ」


エリアーナのメイドスカートに飛びついたアイニャだが、アイニャの何倍も大きいエリアーナには何の意味もなさない。


「また今度遊ぼな。今日はお仕事や」


エリアーナはひょいとアイニャの首根っこを掴んで脇へ寄せる。ふよふよ浮かんだエリアーナが、風呂に向かっていく。


ベアトリスのピンチを感じ取ったアイニャはエリアーナの前に立ち塞がるが素通りされてしまう。


「ニャ!」

「アイニャ、静かにしときや。エリアーナ様は痛いことはせぇへん。

加護のせいででけへんのが事実やけどな」


ベアトリスの脱いだ衣服を堂々と漁ったエリアーナは、きょろきょろと脱衣所を見回しソレを発見した。


「見ぃつけた」