麗らかな空の下で、エリアーナがアイニャの墓に花を摘んではせっせと飾っていた。アイニャの墓を可愛い花で囲んで、エリアーナがふんと鼻息を出す。


「どうや、アイニャ。綺麗やろ?ネズミ持ってこようとしたら、先生がそれはあかんって言うから花にしたんや」


うさ耳をしゅんと垂らして、エリアーナはアイニャの墓を撫でた。


「アイニャ、ごめんな。うちのせいで」


エリアーナがベアトリスの大事な金のロッドを盗んだせいで、アイニャは死んでしまった。アイニャにはもう何百回と謝った。


「あの女には、何て言うたらええんか……うちわかれへんねん」


でもまだベアトリスには何も言えていなくて、エリアーナは悩んでいた。


サイラスは悩みを聞いては「誠意」を見せるしかないと言うだけだ。大雑把な助言に、小さな脳みそでどうやって謝るべきかずっと考えていた。


「考えるのは苦手や」


情緒成長期のエリアーナは今、サイラスから考える時間を与えられている。