魔王執務室にて、腕を組んでむすっと座ったジンをサイラスが冷たい目で見つめた。


「強い王妃を目指せ計画は順調に進んでいて、何が気に入らない」

「加護様はベアトリスにくっつき過ぎだよ」


先日からベアトリスの肩の上に住み始めた加護様、ぷるんの存在がジンはどうしても気に入らなかった。


ベアトリスと言えばぷるん様かわいいかわいいと四六時中言っているのが、ツノにびんびん伝わってきている。


常に共にいてくれる存在としてアイニャを失った隙間が埋まるのだろう。ベアトリスの夫はこのジンであり、愛しているのはこの魔王だ。

理屈はわかっていても、受け入れがたいのが男の恋心である。