流し目を向けると共に微笑まれ、胸がくすぐったくなった。
陽和さんの勘違いもあって結婚することにした私たちだけれど、この選択は今のところ後悔していない。城戸さんといる時より、すごく心が安定している気がするから。
赤坂にある高級料亭に到着し、趣のあるお座敷の個室でほんの数分待つと、眼鏡をかけた男性が現れた。雰囲気からして貫禄のあるお父様だ。
綺麗に整えられた短髪に、彫りの深い顔立ち。端整だけれど渋さがあって、暁月さんが年を取ったら近づいていくんだろうなと感じる。
私たちの向かいに腰を下ろす彼に、まず暁月さんが挨拶をする。その表情に笑顔はない。
「……久しぶり」
「ああ。こうして食事をするなんて何年ぶりだろうな」
口元にわずかに笑みを浮かべているお父様だが、口調はやや硬く、単純な嬉しさから出た言葉ではないように感じた。
彼の瞳がこちらに向けられ、無意識に背筋が伸びる。
「こんにちは。降旗さん、といったかな?」
「はい、降旗莉真と申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます」
緊張しながら丁寧に頭を下げると、軽く頷いたお父様は「まあ、そう硬くならずに」と気遣ってくれた。もっと手厳しいイメージを勝手に作り上げていたから、少しだけ心が和む。
陽和さんの勘違いもあって結婚することにした私たちだけれど、この選択は今のところ後悔していない。城戸さんといる時より、すごく心が安定している気がするから。
赤坂にある高級料亭に到着し、趣のあるお座敷の個室でほんの数分待つと、眼鏡をかけた男性が現れた。雰囲気からして貫禄のあるお父様だ。
綺麗に整えられた短髪に、彫りの深い顔立ち。端整だけれど渋さがあって、暁月さんが年を取ったら近づいていくんだろうなと感じる。
私たちの向かいに腰を下ろす彼に、まず暁月さんが挨拶をする。その表情に笑顔はない。
「……久しぶり」
「ああ。こうして食事をするなんて何年ぶりだろうな」
口元にわずかに笑みを浮かべているお父様だが、口調はやや硬く、単純な嬉しさから出た言葉ではないように感じた。
彼の瞳がこちらに向けられ、無意識に背筋が伸びる。
「こんにちは。降旗さん、といったかな?」
「はい、降旗莉真と申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます」
緊張しながら丁寧に頭を下げると、軽く頷いたお父様は「まあ、そう硬くならずに」と気遣ってくれた。もっと手厳しいイメージを勝手に作り上げていたから、少しだけ心が和む。



