行き交う人の中で立ち尽くす私に、彼は向き直って苦笑を漏らした。
「やっぱ知ってたんだね、俺が結婚してたこと。君がなにも言わずに松本に行ったのもそのせい?」
確信を突かれて言葉に詰まる。でも、曖昧にしたままでは吹っ切ることもできないだろうし、この際腹を割って話そう。
「……奥様がいるくせに、いろんな女性と仲よくしているってわかったからですよ。後輩のユカちゃんとか、先輩のミナコさんとか。アスカさんとは奥様にバレて修羅場になったって聞いてますけど」
「さすがにアスカちゃんのはデマだから」
デマなのはアスカさんだけかい!と心の中でツッコんだ。
この人の浮気癖は本物だったんだなと、半ば呆れ気味で眉をぐにゃりと歪める私。ところが、城戸さんはどこか浮かない表情で伏し目がちになる。
「いろいろ事情があってね。あえて結婚してるって言わなかったのは事実だし、本当に悪かったと思ってる。でも、莉真ちゃんに嘘はついてないから」
彼の瞳がこちらに向き、約二年前の苦い記憶が脳裏をよぎる。
私の告白に対しての『俺も好きだよ』という返事も、嘘だったとは思っていない。ただ、好きの種類が私のものとは違っていただけで。
「やっぱ知ってたんだね、俺が結婚してたこと。君がなにも言わずに松本に行ったのもそのせい?」
確信を突かれて言葉に詰まる。でも、曖昧にしたままでは吹っ切ることもできないだろうし、この際腹を割って話そう。
「……奥様がいるくせに、いろんな女性と仲よくしているってわかったからですよ。後輩のユカちゃんとか、先輩のミナコさんとか。アスカさんとは奥様にバレて修羅場になったって聞いてますけど」
「さすがにアスカちゃんのはデマだから」
デマなのはアスカさんだけかい!と心の中でツッコんだ。
この人の浮気癖は本物だったんだなと、半ば呆れ気味で眉をぐにゃりと歪める私。ところが、城戸さんはどこか浮かない表情で伏し目がちになる。
「いろいろ事情があってね。あえて結婚してるって言わなかったのは事実だし、本当に悪かったと思ってる。でも、莉真ちゃんに嘘はついてないから」
彼の瞳がこちらに向き、約二年前の苦い記憶が脳裏をよぎる。
私の告白に対しての『俺も好きだよ』という返事も、嘘だったとは思っていない。ただ、好きの種類が私のものとは違っていただけで。



