「……相良さんって、実はちょっと意地悪ですよね」
「気づいた?」
いたずらっぽく口角を上げる彼に、自覚あるんだ、と心の中でツッコんだ。
基本的には紳士的で、包容力も安心感もある人だと思うけれど、やっぱりキスされたあの日から優しいだけじゃない一面が見え隠れしている。
なんとなく危ういものも感じるのに、私の口が軽くなるのはなぜだろう。今も、無性に不安な心の内を吐き出したくなる。
「考えるのは彼のことだけじゃなくて……。この管制塔に立つのを目標に今までがむしゃらにやってきたようなものだったから、別の場所に行っても頑張れるのかなって、正直不安なんです。いつかはここから離れる時が来るって当然わかっていたのに」
ひとつの夢を叶えて満足してしまったのかもしれない。それに、ここは居心地がよすぎた。なにかあった時、家族や職場の仲間とすぐに共有できる場所だったから、離れるのが本当につらい。
でも、そんなの仕事には関係ない。これからも情報官として働いていく限り、同じ場所に留まり続けることはできないのだから慣れていかなくては。
浮かない顔をする私の話に、また耳を傾けていてくれた相良さんが口を開きかける。私はそれを咄嗟に遮った。
「気づいた?」
いたずらっぽく口角を上げる彼に、自覚あるんだ、と心の中でツッコんだ。
基本的には紳士的で、包容力も安心感もある人だと思うけれど、やっぱりキスされたあの日から優しいだけじゃない一面が見え隠れしている。
なんとなく危ういものも感じるのに、私の口が軽くなるのはなぜだろう。今も、無性に不安な心の内を吐き出したくなる。
「考えるのは彼のことだけじゃなくて……。この管制塔に立つのを目標に今までがむしゃらにやってきたようなものだったから、別の場所に行っても頑張れるのかなって、正直不安なんです。いつかはここから離れる時が来るって当然わかっていたのに」
ひとつの夢を叶えて満足してしまったのかもしれない。それに、ここは居心地がよすぎた。なにかあった時、家族や職場の仲間とすぐに共有できる場所だったから、離れるのが本当につらい。
でも、そんなの仕事には関係ない。これからも情報官として働いていく限り、同じ場所に留まり続けることはできないのだから慣れていかなくては。
浮かない顔をする私の話に、また耳を傾けていてくれた相良さんが口を開きかける。私はそれを咄嗟に遮った。



