「私は彼が初恋で、恋愛には疎かったから、好きって言われた時点で付き合えたものだと思っていたんです。時々デートっぽいこともしたし。でも……盲目だったんですかね。半年くらい経った頃に、彼が結婚していることを知りました」
声のトーンを落としてテーブルに置いた手をぐっと握ると、相良さんは目を見張った。その顔が、若干軽蔑するように次第に強張る。
「既婚者だったのか……。その彼は、浮気にならないようにあえて付き合おうと言わなかったんだろうな。君が誤解しているのもわかっていたと思うが」
「ですよね、私も同意見です。クズ男ですよ」
悪態をつき、ロックの梅酒をぐいっと呷った。悔しさが蘇り、また鼻の奥がツンとしてくる。
城戸さんがそういう人だったと知ってから、不思議と女性関係の噂があれこれ耳に入ってくるようになった。
どうやら彼は昔から浮気性だったらしい。確かに女友達は多かったから想像にたやすかったのに、あえて考えないようにしていたのかもしれない。
「一線を超えるようなことはなにもなかったけど、彼と出かけてしまっただけで後悔しました。奥様に申し訳なくて。悪いのはあの人だけじゃなくて、浅はかだった私もいけないんです。もう自分がバカすぎて、虚しくて仕方なかった……」
声のトーンを落としてテーブルに置いた手をぐっと握ると、相良さんは目を見張った。その顔が、若干軽蔑するように次第に強張る。
「既婚者だったのか……。その彼は、浮気にならないようにあえて付き合おうと言わなかったんだろうな。君が誤解しているのもわかっていたと思うが」
「ですよね、私も同意見です。クズ男ですよ」
悪態をつき、ロックの梅酒をぐいっと呷った。悔しさが蘇り、また鼻の奥がツンとしてくる。
城戸さんがそういう人だったと知ってから、不思議と女性関係の噂があれこれ耳に入ってくるようになった。
どうやら彼は昔から浮気性だったらしい。確かに女友達は多かったから想像にたやすかったのに、あえて考えないようにしていたのかもしれない。
「一線を超えるようなことはなにもなかったけど、彼と出かけてしまっただけで後悔しました。奥様に申し訳なくて。悪いのはあの人だけじゃなくて、浅はかだった私もいけないんです。もう自分がバカすぎて、虚しくて仕方なかった……」



