天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む

「そりゃあ、したいですよ。七夕の時、短冊に書こうか迷うくらいには」
「神頼みしなくてもできるだろう。まだ二十四歳だって言ってたよな?」
「年齢の問題じゃないんです。ただでさえ情報官は生活が不規則で結婚となるとデメリットが多いのに、私の場合は恋愛自体するのが難しくて」

 超個人的な問題をポロッとこぼすと、相良さんは焼き鳥をつまんで不思議そうに私を一瞥する。

「なにかあったのか?」
「なにか……ありましたねぇ、羽田にいた時……焼け焦げて食べられたもんじゃなくなった初恋が」

 忘れられない人の記憶が蘇ってきて、いい焦げ目がついた焼き鳥を眺める私の目頭が急激に熱くなってくる。

「くぅぅ~~」と情けない声を出してテーブルに突っ伏すと、相良さんがギョッとした調子で「降旗さん?」と呼んだ。

 戸惑いつつ私の背中に手を当てる彼に、カウンターのほうからゴンさんが声を投げかける。

「あー、酔っ払いモードに突入した。相良、適当に付き合ってやって」
「全然顔に出ないから、たいして酔ってないのかと」
「急にスイッチが入ったみたいにそうなるんだよ。泣き上戸になったり、ケンカ腰になったり」