天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む

 落ち着きを取り戻した暁月さんは、その瞳に私だけを映して口を開く。

「俺に、たくさん幸せを教えてくれてありがとう」

 真摯に感謝を伝えてくれる彼に、私は謙遜して小さく横に首を振った。

 暁月さんを幸せにしてあげたいと思っていたけれど、私のほうが彼の大きな愛に包まれている気がするから。

「その言葉、そっくりそのままお返しします。でも、まだまだ足りないよ」

 私たちが得られる幸せはこんなものじゃない。そんな意味を込めてニッと口角を上げると、彼もそれを察して頬を緩める。

「そうだな。これから先も、きっとこの子が教えてくれる」

 そっと私のお腹に触れる彼を見上げ、こくりと頷いた。三人での生活も、愛に溢れた素敵なものになるに違いない。

 熱い視線を絡ませた私たちは、どちらからともなく唇を寄せた。

 ふたりきりの管制塔の向こうには蒼穹が広がっている。

 嵐が来ても、大雪に見舞われても、あなたとなら飛んでいける。晴れ渡る今日の空のように、明るい未来を目指して。


 End☆.。.:*・゚