天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む

 逞しい胸に抱きついたまま、甘えるように彼を見上げる。

「びっくりした。まさか遊覧フライトをプレゼントされるなんて」
「ちょっと思いついてゴンさんに話したら、なんか皆協力してくれることになって。今も『管制塔ならふたりになれる』って言うから」
「ゴンさんって、そんなに気の利く人だったっけ?」

 北海道へ行ってなにがあった?と思うほどの彼の計らいに驚く私に、暁月さんはクスクスと笑う。

「莉真は皆に愛されてるな。まあ、一番愛しているのはもちろん俺だが」

 私の髪を優しく撫でる彼の甘い言葉がくすぐったいけれど、自分でもつくづく周りの人に恵まれていると思う。

「ありがとう。暁月さんのアナウンスも本当に嬉しかった」
「毎年、七夕には同じことを願うよ。君の幸せが俺の幸せだから」

 慈愛に満ちた笑みを浮かべる彼に、胸が温かくなる。誰にも本気にならず、結婚にも夢を抱いていなかった暁月さんが、こんな風に思うようになったなんてね。

「私も同じ気持ちだけど、もうひとつ願い事ができたの」

 小首をかしげる彼に微笑みかけ、お腹にそっと手を当てる。