天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む

 ──愛情に満ちたその言葉は、私のために伝えてくれているのだとすぐにわかった。

 無線以外でも、こんな風に声を届けてくれるなんて。結婚して一年経っても変わらず愛を注いでくれることが嬉しくて、じんわりと目頭が熱くなる。

 機内では「素敵~!」なんて浮き立つ声が上がるものの、私は窓のほうを向いたまま込み上げるものを堪えていた。

 約一時間のフライトを終えて無事着陸し、とても満たされた気分で地上へ降り立った。記念撮影の時間も取られているようで、飛行機をバックに写真を撮ろうとする人たちが列を作っている。

 私は皆も待っているので、ひと足先にターミナルビルへ戻った。到着ロビーに出て記念品をいただくと、茜がルンルンとこちらへ向かってくる。

「おかえりー! どうだった?」
「すっごくよかった! 今日は晴天だから景色が最高」

 私が興奮気味に語る感想を、茜と一緒に微笑ましげに聞いていたゴンさんは、それが一段落するとある提案をしてくる。

「せっかくだから管制塔も入ってみれば? 『降旗さんならOK』って所長の許可出てるから」
「ほんとですか? じゃあ、ちょっと行ってこようかな」

 特別にもう使われていない管制塔に入れるのは得した気分だ。