どうしてそんなことを……!? そうしたところで、これを送った人物になんのメリットがあるというのか。ただ嫌がらせをしたいだけ?

 悪意しか感じられず怖くもあるけれど、まず不倫の誤解を解きたい。

「彼とは昔から知り合いではありましたが、ただの同僚でそれ以上の関係はなく、この日も上司と一緒に歓迎会をしていただけです。不倫だなんて事実無根です」

 お義父様を一直線に見つめ、切実に訴えた。しかし、彼の厳しい表情は変わらない。

「疑惑を鵜呑みにするわけではないが、暁月の妻という立場でありながら紛らわしく軽率な行動をした君を、父親として見過ごせない気持ちがあるのも確かだ」

 そう言われてしまうと自分に非がなかったわけではないと思い、唇を噛んで肩をすくめた。暁月さんのお母様も不倫をして出て行ってしまったのだし、お義父様の気持ちもわからなくない。

「万が一この写真が広まってしまったら、少なからず暁月にも影響がある。機長になったばかりで様々な試験も控えている大事な時期にそれは避けたいことだと、君ならわかるだろう」
「もちろんです。ですが……!」