天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む

 誰よりも深く想ってくれていることが心底嬉しいし、優越感を抱く。満たされた気分で「俺もだよ」と返すと、莉真も幸せそうに笑った。

 込み上げる愛しさは次第に欲情に変わっていき、夕食の片づけもそこそこにベッドへなだれ込んだ。

 俺しか知らない彼女の身体を、大切に、大切に愛でる。かつ、彼女の弱い部分を執拗に攻めて快感を教え込む。心も体も俺なしでは生きられないと思うほど、深く溺れさせてやりたい。

 もう独占欲を抑えるのはやめたから。これからは自分の気持ちに正直に、妻への愛を精一杯伝えていこう。



 六月下旬のある日、ひと足早く花火大会が行われるにあたって、マンション内のパーティールームで交流会が開かれることになった。立食形式で軽食が用意され、見晴らしのいい最上階の窓から花火を堪能できる。

 泉さんは生憎仕事になってしまったらしいが、パイロットの先輩一家には会えるかもしれないと話したら莉真が乗り気だったため、俺たちも参加している。

 乗り気だったのは莉真だけでなく、俺の姉も然り。もっぱらマンションの住人向けだが、家族なら呼べると話したら『じゃあ娘と行っていい? いいよね!』と俺の返事を聞かずに来る気満々だった。わが姉ながら図々しい。