「もう離れてますよ。私の心はここにあるんです、あなたのすぐそばに」
私の視界に映る彼の表情が、驚きから真面目なものに変化していく。数秒後、はたと我に返った。
……いや、待て待て私。酔っ払ってケンカ腰になるにも程がある!
冷静になった瞬間、ぱっと手を離して体勢を戻した。自分の失態に動揺して不整脈を起こしたかと思うくらい脈が乱れ、早くこの密室空間から逃げ出したくなる。
ドアに手をかけると「莉真」と呼び止められたものの、構わず外へ出る。が、歩き出してから足取りがおぼつかないことを思い出し、柱に手をついた。
暁月さんがすぐにそばに来て、私の腰に手を回して再び支えてくれる。
「こら、酔ってること忘れない」
たしなめられたが、その声はさっきまでと違って少し柔らかい。逞しい腕の力にも胸が締めつけられて、ずっと抱えていたものが溢れそうになる。
私も暁月さんと同じくもやもやしたのだと、この際吐き出してしまいたい。
「……私だって、不安だったんですからね? 暁月さんが望さんと親密そうにしてたから」
エレベーターに向かいながらぽつりとこぼすと、彼は怪訝そうに私を見下ろす。
私の視界に映る彼の表情が、驚きから真面目なものに変化していく。数秒後、はたと我に返った。
……いや、待て待て私。酔っ払ってケンカ腰になるにも程がある!
冷静になった瞬間、ぱっと手を離して体勢を戻した。自分の失態に動揺して不整脈を起こしたかと思うくらい脈が乱れ、早くこの密室空間から逃げ出したくなる。
ドアに手をかけると「莉真」と呼び止められたものの、構わず外へ出る。が、歩き出してから足取りがおぼつかないことを思い出し、柱に手をついた。
暁月さんがすぐにそばに来て、私の腰に手を回して再び支えてくれる。
「こら、酔ってること忘れない」
たしなめられたが、その声はさっきまでと違って少し柔らかい。逞しい腕の力にも胸が締めつけられて、ずっと抱えていたものが溢れそうになる。
私も暁月さんと同じくもやもやしたのだと、この際吐き出してしまいたい。
「……私だって、不安だったんですからね? 暁月さんが望さんと親密そうにしてたから」
エレベーターに向かいながらぽつりとこぼすと、彼は怪訝そうに私を見下ろす。



