天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む

「出会った頃、いつも俺をキラキラした目でまっすぐ見てくるのが可愛くって。当時は妹みたいに思ってたけど、大人になって再会したらこの子は特別だったんだなって気づいた。でも、ずっと適当な女性関係を築いてきた俺だから、本気の子とはどう接したらいいかわからなくてさ」

 自嘲するようないつになく弱い声が耳に流れ込んできて、無性に切なくなった。

 初めて知った、城戸さんの私に対する気持ち。女慣れしているのは確かなのだろうけど、本当は不器用な人なのかもしれない。

「結局いつも通りの軽い男から変われなかったし、中途半端なことして傷つけた。莉真ちゃんに告白された時、正直すごく嬉しくて、奥さんがいるって言い出せなかったから」
「……そうなるのもわかるよ。だって、拓ちゃんも親同士仲がよかったおかげで強引に結婚させられたようなものなんだし」

 声から後悔や申し訳なさが感じられる城戸さんに、望さんが共感する。

 どうやら城戸さんも望んだ結婚ではなかったらしい。『俺も好きだよ』と言われたあの時も、弄ばれていたわけではなかったのだとわかってふいに泣きそうになった。

 嘲笑する彼からも、やりきれなさが伝わってくる。