天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む

 ひとり悶々とする私はさておき、席についた望さんは添田さんに促されてお酒を頼んだ。それが運ばれてきて改めて乾杯したところで、望さんが和やかに微笑む。

「情報官の皆さんと食事するのは初めてです。拓ちゃんとも久しぶりだね」
「ここんとこ忙しかったしね。前は暁月と三人で飲みに行ったのにな」
「うん。あっくんとは最近仕事で会うほうが多い気がする」

 わざとらしく暁月さんの名前を出す城戸さんに続いて、望さんも親しいことが明白な発言をした。私は表面上は笑みを作っているものの、汗を掻いたグラスを無意識に握りしめる。

 あっくんって呼んでるんだ……へえ……。まあ、幼馴染ならまったく不思議じゃないんだけど。呼び方はなんでもいいんだけど。

 心の中でぶつぶつ言いながら、隙のない美しい所作でアヒージョを口に運ぶ望さんを眺めていると、添田さんがずいっと彼女に迫る。

「君、相良機長とどんな関係なんだい?」

 おっと添田さん、直球な質問をさらっと! 私も聞きたかったので一気に耳を大きくして注目する。