天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む

「じゃあ来なさい、隣に。私たちと一緒に飲めばいいじゃないか」
「えっ……でも、お邪魔になるんじゃ」
「構わない。花は多いほうがいいんだ」

 戸惑う望さんを手招きした添田さんは、「ほらほら」と半ば強引に座らせようとしている。いつもの彼女と様子が違って呆気に取られる私に、城戸さんが苦笑いして小声で言う。

「添田さん、酔うとオジサンの上司みたいになるんだよね。しかも人を選ばず絡む」
「い、意外……」

 確かに、ほんのり頬が赤くなっているし若干目も据わっているから酔っているのはわかるけれど、本当にキャバクラに来たオジサン上司みたい。

 普段とのギャップに笑いそうになるも、城戸さんは私の耳に顔を寄せて囁く。

「あと、望だよ。暁月と噂があったのは」

 はっきり告げられて、心臓がひと際強く波打った。また表情を強張らせる私を、彼は試すような目で見ている。

 やっぱり望さんだったんだ……。城戸さんと幼馴染なら、それ繋がりで暁月さんとも昔から仲がよかったとしても納得する。でも、長い時間を彼と過ごしてきたのかもしれないと思うと、全然すっきりしない。