惚けた気持ちを切り替え、私も支度を整えて出勤する。電車と徒歩で四十分ほどかかるが、社員寮より十五分長くなった程度なのでそんなに苦ではない。
出社すると、ちょうど城戸さんと添田さんが話していたので、思いきって入籍したことを報告した。
ふたりともぽかんとして一時停止する。添田さんはぱちぱちと瞬きをして、眼鏡を指で押し上げた。
「入籍……あの相良機長と?」
「マジか」
城戸さんもさすがに驚きを隠せない様子だ。私はワケあり結婚だと疑われないかという緊張と、単純な恥ずかしさでドキドキしつつ「はい」と頷く。
「仕事は旧姓のままさせてください。内緒にするわけではないですが、積極的に公表もしないので」
「それが賢明だな。彼のファンに刺されかねない」
「えっ」
添田さんのひと言にギョッとすると、彼女は真顔のまま即座に「冗談だ」と返した。いや、シャレになりませんって……と口の端を引きつらせる私。
添田さんも暁月さんのことを知っているくらいだし、同じ航空会社の中ではすごい人気なんだろうな。なんてったってヒノモト航空の最年少機長なのだから。
彼は大丈夫だと言っていたけれど、周りの女性陣がまったく妬まないとも思えない。私に対しての反応を想像するとやっぱり怖いし、しても仕方ないのでやめておこう。
出社すると、ちょうど城戸さんと添田さんが話していたので、思いきって入籍したことを報告した。
ふたりともぽかんとして一時停止する。添田さんはぱちぱちと瞬きをして、眼鏡を指で押し上げた。
「入籍……あの相良機長と?」
「マジか」
城戸さんもさすがに驚きを隠せない様子だ。私はワケあり結婚だと疑われないかという緊張と、単純な恥ずかしさでドキドキしつつ「はい」と頷く。
「仕事は旧姓のままさせてください。内緒にするわけではないですが、積極的に公表もしないので」
「それが賢明だな。彼のファンに刺されかねない」
「えっ」
添田さんのひと言にギョッとすると、彼女は真顔のまま即座に「冗談だ」と返した。いや、シャレになりませんって……と口の端を引きつらせる私。
添田さんも暁月さんのことを知っているくらいだし、同じ航空会社の中ではすごい人気なんだろうな。なんてったってヒノモト航空の最年少機長なのだから。
彼は大丈夫だと言っていたけれど、周りの女性陣がまったく妬まないとも思えない。私に対しての反応を想像するとやっぱり怖いし、しても仕方ないのでやめておこう。



