翌日──


 特筆すべき出来事もなく、穏やかで真っ平らなまま学校が終わろうとしていた。


 正門前で待ちぶせされるというちょっとしたドッキリと、そのあとに寄り道というイベントがあった昨日とは違う。


 何の予定もないけれど、真っ直ぐ帰宅したくないなー。


 具体的にそれが何なのかはわからないけれど、とにかく何かがもったいない。無性にそんな気がする。


 夏至が近いから、放課後になってもまだまだ日は高い。


 今日もどこかに寄ろうかな……


 ぼんやりとそんなことを考えながら帰りの支度をしていると、既にリュックを背負ったユズハが声をかけてきた。


「今日はシュンペイと約束してない? 一緒に帰れる?」

「連日で約束なんてしないよー。うん、帰ろ、帰ろ」


 私はユズハと並んで教室を出た。


「ね、昨日はあれからどうだった?」


 ユズハの問いに私の顔は自然と緩む。