銀星台の校舎は余分な装飾はなく、シンプルで無機質な建物だった。


 受付を済ませると、校内案内図をもらえた。


「まずは体育館?」


 ユズハが案内図を見ながら聞いてきた。


「そうだね。最初にマサヤさんのバレー部を見に行って、その次にトモヤさんのサッカー部を見学しよ。最後にゆっくりシュンペイの野球部を見たいね」


 『うん』とユズハも大きな笑顔で頷いて同意してくれた。


 私たちはさっそく体育館へと向かった。


 他の見学者の邪魔にならないように、後方から隙間を探して覗き込んだ。


 どこだろ?


 どうやら私が見つけるより先に、マサヤさんが私のことを見つけたみたい。


 マサヤさんがこっちに向かってくる……


 って、そんな自由行動していいの?


「部活中なんですよね!? 何してるんですか?」

「授業じゃないんだから、少しくらい抜けてもいいよ」

「いやいやいや! ダメでしょ!?」