家に帰ってようやく、あれ? と気づいた。


 オープン・ハイスクールに関する情報はポスターを見ればいいはず……


 わざわざ新堂弟から個人的に連絡をもらわないといけないっけ?


 普段の私なら初対面の男の人に連絡先を教えることは、まず考えられない。


 そのはずが何の抵抗もなく……なんて、どうして!?


 きゃー、新堂弟って手練れだ!


 ……って、新堂弟なら問題ないか。


 だって生徒会メンバーだもん。信頼していいよね。


 それに何といってもあれだけモテる人が、私なんか相手にするはずもない。


 混じりっけなしの親切心オンリーに決まっている。


 安心しきったところで、タイムリーにスマホが震えた。


『オープンハイだけど受験生とその保護者以外の枠は少ないから申込はなる早で』


 新堂弟からだった。


 URLもその下に貼り付けてくれていた。


 わっ、思った通りいい人だ!


 ちょっとした心遣いに胸が温かくなる。


 できるだけ丁寧にお礼を送り、そのあとでユズハ宛てにメッセージを作成した。


 私の頬は弛んでいた。