「マサヤはいつもそのやり方だね」
「男のほうから連絡先を聞くと、警戒されるかもしれないだろ?」
「マサヤを? 俺はそんな経験、一度もないんだからマサヤだってされないだろ」
僕と同じ顔でトモヤは自信たっぷりに言った。
そうは言ってもコハルは彼氏もち、それも風間シュンペイと付き合ってるんだ。
「さすがにいきなり初対面での連絡先交換には引っかからないかもしれないだろ?」
「ああいう見た目の女はそうかもなー。それにしてもコハルだっけ? ぱっと見地味だし無害そうだけど、直接会った感じはどうだった?」
僕はコハルの顔を思い出した。
「地味は地味だった。でも、間近で見ると素材は悪くはない。磨けばそれなりになるんじゃないかなー。わざと作ったんだけど、僕が困ってる状況なのを見て、進んで手伝ってくれたところも評価していい」