今、バーベキューも終わり、庭に置いてあるベンチに清海さんと二人で座り、夏の夜の潮風を感じていた。

「海香子ちゃん、困らせるようなことを言ってごめん」

「だから、謝らないで…。ねぇ、もし私が清海さんの想いを受け入れられなかったとしたら、清海さんはスパッと気持ちを切り替えられるの?」

自分でも何を言っているのかと思う。

しかし、初恋に戸惑うだけの私は、男の人の気持ちなんて判らない。

「それは、たぶん無理だと思う。正直、自分でも戸惑ってる。こんな気持ちは初めてだから…」

私よりずっと大人で、富も名声も手にしていて、おまけにルックスまでいい清海さんが、私みたいなちっぽけな小娘を好きになって戸惑うなんて…。

「清海さんって、華々しい女性遍歴があるものかと思ってた」

そう言うと、清海さんは苦笑いになる。