「天気もいいし、清海さん、こういう日はあんまり絵を描く気分じゃないんでしょう?」

「参ったな、お見通しとは…」

清海さんは、天気の悪い日や夜のほうが絵を描きたくなり、こんな清々しい天気の日には、他のことをしたくなるらしい。

「清海さん、本当は絵よりも自然のほうが好きだもんね」

「画家失格かもしれないけど、そうだね。こんな日は釣りに行こうかな」

「ふふ、いってらっしゃい」

「海香子ちゃんも一緒に行こう」

「え、私は仕事があるし…」

「いいから!ボスが仕事放棄してるのに、アシスタントだけ働くのも変でしょ」

結局、二人してすぐ近くの岩場へと向かった。